クリスマスツリーを買って、11年ぶりに飾ってみた。
そういえば俺は、過去に仲良しの服屋さんのディスプレーをずっとしていた時に、ある人にスカウトされてデコレーターという仕事に就いていた事がある。
フィットハウスという靴屋さんやデパートや大型スーパーなど、季節ごとにディスプレーを変えるのだ。
現場にはデコレーター軍団のチームで行き、飾り付けや什器を作って設置したりという仕事。
春夏秋冬、その時々のイベントに合わせて、そこら中を突貫的に駆け回る。
クリスマスシーズンにはツリーを何本も何本も飾り付けしたもんだ。
店員さんは、若くて可愛い女の子が多く、仕事そっちのけでよく話をしていたもんである、、、
「今、いくつ?、、、あ、そう。ところでおっぱい何カップ?、、、触ってもいい?、、、ダメ?、、、なんで?」
などという会話をよく妄想したもんだ。
デコレーターは各自それぞれが自営の個人事業主の場合がほとんどで、当時の俺のチームは、モード学園で講師をやっていたり先生だった人たちと一緒のチームだった。
そしてデコレーターの多くは女性で、俺のチームには俺一人が男だった。
そしてその当時のあだ名が、なぜだか『お兄ちゃん』と呼ばれていた、、、
「ねぇねぇお兄ちゃん、今日ご飯どこで食べよっか?」
と俺と同じチームの女性たちが言う。
「そうだなぁ、今日はステーキが食べたいからブロンコビリーとか、あさくまとか行きたいな。」
と俺。
「お兄ちゃん、いつも肉ばっかりだね、いいよ行こ。」
と、毎回おごってくれるのだ。
いつもは、女性にお金を払わせるなんて事はした事無いけど、デコレーターになってからは、ニューフェイスって事で、みんなが
「いいからいいから!」
とおごってくれるのだ。
個人事業主と言う事もあって、報酬もサラリーマンの部長クラス以上の稼ぎがあるので毎回甘えていた。
今日もきっとおごってくれるんだな、、、ん?待てよ、、、
『さては俺の身体を狙ってるな、、、』
その前には、フィットハウスでの仕事が終わると、靴と服を買ってプレゼントしてくれたりした。
『だから、俺をスカウトしたんだな!、、、最初から仕組まれた大掛かりでアメリカンサイズの罠だったんだ!!』
しかも、モード学園で先生をしていただけあって、センスは超抜群。
なので、断るのももったいないとばかりに、あざ〜す!と言ってもらってしまったぞ、、、
『今日の夜、ヤバいな、、、抱かれるな俺、、、』
女性デコレーター達6人で俺を囲んで、俺を少しずつ脱がして行くんだな、、、
「やだやだ、恥ずかしいぃよぉ〜、、、ダメだったらぁ〜」
って、俺が言う立場になるんだ、、、
今までは「やだやだ」って、言われても、『本当はいいって思ってるくせに、可愛いな』なんて思ってたバチが当たったんだ、、、
どうしよう、、、
そうだ、さすがは俺、名案が浮かんだ!!
「今日、あの日なんだ俺、、、」
って言おう!!
あ、、、、俺、男だった、、、
とか、考えてたらついにステーキハウスでの食事後、女性陣みんなにこう言われた、、、、、
「ねぇ、お兄ちゃんさぁ、、、、、男紹介してよ。」
『ガ〜ン、、、、』
ショックだった俺は思わず女性陣に男らしく、男っぽくこう言ってやった、、、、
「お、俺じゃダメなの?、、、、、ねぇ?、、、ねぇったら〜」
「お兄ちゃんはダメ。」
『ガ〜ン×2』
自意識過剰の俺のプライドは、こうして崩れ去ったのだった。
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