火遊びをしていたら、火が消えなくなり俺たちは走って逃げた。
でも、俺とSはいいが、Kは逃げると言っても家の間の前が燃えているので、可哀想だった。
俺とSは、ひたすら走り家の方へと20分走り続けると後ろを走っているSが息を切らせながらこう言った、、、
「ハァハァ、、、うしろ、、、うしろ見て、、、ハァハァ」
俺は、初めてKのうちのある、後ろを振り返って愕然とした。
モクモクと白い煙が、巨大に広がっていたのだった、、、
誰が見ても、明らかに火事だった。
「ハァハァ、、、ケムリが、、、ハァハァ、、、出てるって事は、、、ハァハァ、、、火が消えたって事かなぁ、、、」
Sが言った。
「ハァハァ、、、バカ、燃えてるから煙が出るんだろ、、、ハァハァ、、、」
(※きっとこの時、消えていたのだろう。)
俺たちは、その後家に辿り着いたのだが、後ろめたさから普段とは違う行動をしたのだった。
俺は、家に帰るといつもはした事がなかった、勉強机に向かい勉強をするフリをした。
もちろん、演技で勉強などできる訳も無く、どうなったのかが気になって仕方なかった。
母親が言った。
「今日は早いねぇ、どこで遊んで来たの?」
俺は、焦ってすぐに言った、、、
「駐車場でみんなで野球してた。」
すると、その時だ。
電話が鳴ったのだ、、、
俺はドキッとして、心臓の鼓動が一気に早くなった。
母親が電話に出ようとすると、電話が切れた。
『良かった、、、』
俺はホッとした。
しかし、その安堵感は長くは続かなかったのだった。
5分後再び電話が鳴り、今度は母親が受話器を取った。
「はい、足立です。あぁ、こんにちは、、、、え!?、、、本当ですか!?、、、」
俺は、母の話し振りでバレた、と分かったが、冷静さを装って身構えていた。
電話が終わると、母が急いで子供部屋に入って来た。
「あんた、どこに行ってたの?、、、正直に話しなさい。」
怒鳴られるのかと思ったが、母は冷静だった。
俺は、正直に話した。1カ所だけ脚色した。火は完全に消した事にしたのだった。
母は言った。
「火事になって、もう少しで両隣りの家に燃え移って大変な事に成る寸前だったって。」
「ウソ!?」
俺は驚いたフリをした。
今から謝りに行くと言って、SとSの母親と合流して今度は4人で自転車でKの家に向かったのだった、、、
俺は、Sと目を合わせるとニヤリと笑ったが、Sは母に相当叱られたらしくシュンとして、ニコリともせず神妙な面持ちだった。
目撃者がいたらしいのだが、その目撃者と言うのがまさかの人物だったのだ、、、
続く
0 件のコメント:
コメントを投稿