俺はもうすぐ39才。人生のほとんどを毎日一緒に暮らしていた親友が居た。
あまり、人前には出たがらないあいつを俺はみんなに紹介した事もなかった、、、。
そんなあいつとの別れは、あまりにも突然やって来た。
その瞬間は、切なくもあり、悲しくもあり、そしてなぜだかホッとした。
『これで、あいつが苦しむ事が無くなったって事だよな、、、。』
前日の夜中の4時頃、俺は叩き起こされるように飛び起きた。
『な、なんだ!?どうしたんだ!?』
親友は血を大量に流していた。
『ど、どうしたんだ!?』
親友は言葉を喋れない、、、。
俺は、それを見た瞬間、
『これで最後の別れになるんじゃないのか?』
と直感し、昔からの親友との想い出が走馬灯のように頭をよぎった、、、。
『あんな事もあったよなぁ、、、確か、とてつもなく頑丈で丈夫な相手が来ても、俺はあいつのお陰で、数々の修羅場をくぐり抜ける事ができたっけ、、、。』
『でもさぁ、強情な所もあって、俺があいつを毎日風呂上がりにブラシを使って綺麗にしてやろうとしても、なかなか触らせてくれなかったっけ、、、。本当に強情だったよな、、、。』
『そうそう、あんな事もあったよなぁ、、、大人たちに紹介してお前を見せると、眉間にシワを寄せて口を揃えたように全員がこう言ったっけ、、、
「こいつはダメだ。早いうちに排除した方が、あなたのためですよ。必ず君を苦しめるよ。」
って、お前が聞いてる目の前で、お前の事を全員が悪く言ったよな、、、。
大人なんて分かっちゃいないぜ!!って心でいつも俺はそう思ってた。
俺はそのつど大人たちにこう言って拒み続けたよな。
「もう少し、、、もう少しだけ様子を見ていて欲しいんです!、、、良くなる事もあるんでしょ?、、、こいつが良くなる望みもあるはずですよね!?」
お前を見せながら俺はそう言ったよな、、、。
でも、大人たちは何も言わず、ただただ首を横に振って、
「知りませんよ、あなたの人生に影響を及ばせる事になりかねませんよ、そうなる前に、、、。」
って言いたげだったよな、、、。』
でも、お前は、大人たちが言うように、たまに悪さをしでかして、俺を苦しめたよな。
「頼む!頼むからそんなに暴れるなよ!!、、、頼むから大人しくしていてくれ!頼むから!!」
そう言って、俺までのたうち回りながら薬を投与してもらってお前を沈めてもらった事もあったよな何度も、、、。
俺も苦しかったんだよ、、、。
それも、もう終わりでいいか?
もう、俺にはお前をかばいきれないぞ、、、、、、、
、、、親知らず。しかも虫歯の。
下の右の奥のやつ。
『痛いんだよ!!もう、抜くぞ!、、、絶対抜いてもらう!!』
俺は誓った。
今までは恐くて逃げてばかりいたけど、もう限界!!
『痛いんだよお前よぉ!!親友?、、、違うね。さっさとおさらばしたいんだよ俺は!』
そして昨日
『はるおか歯科』
に行き、抜いてもらった、、、。
以前から、これは抜きにくい親知らずだから、難しいですよって言われてた。
こんなに大変な大作業になるとは予想していた以上に、大変だった。
俺じゃないよ、歯医者さんの大輔君が。
院長先生の大輔君は、知り合いという言う事で、いつも診療時間が終わって歯科助手の女の子たちが帰ってからでも診てくれる。
本当に俺は助かる歯医者さん。しかも、手つきが良い。
手つきで、センスを感じられる歯医者さんってなかなか居ないと思うんだけど、まだ若いのに迷いの無い手つきで器用。
そんな彼でも、大変そうで、おまけに麻酔がなかなか効かない。6、7回麻酔の注射を打ってようやう効いてきて、そこからかなりの時間頑張って抜いてくれた。
「ヒロシさんが、知り合いじゃなかったら断ってますよ。」
と言われてしまった。
途中、抜いている時
「ヒロシさん、右側に首を傾けて下さい」
と、言われて首を傾けると、、、、、
「それ、左です。」
と、言われた、、、。
恐くて恐くてテンパって右も左も分からなくなってました。
尾張旭市にある、はるおか歯科に皆さんも是非、ご家族やご近所さんをお誘いして行ってみて下さい。
「大人数は困ります。うちは娯楽施設じゃありません。」
と言われるでしょう。
終わり
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