たまたまだったので、ホームページを作りながら手を止める事無く聞いていた。
でも、曲を聞くにつれて俺は聴きいった、、、
聞くが、聴くに変わった。
なぜ変わったのか、、、
あれは、今から8年前の事だった。
俺は、自分の店ROBINをやり始めて2年目のある日の穏やかな日の事だった。
店に居ると、2つ年上の夏樹君から電話がかかって来た、、、
「もしも〜し!」
俺は、いつものようにテンション高めで電話に出た。
「佐久間が死んだ。」
第一声がその言葉だった。
俺は、すぐに反応した。
「何で?」
「単車で事故ってらしい、、、」
「ハァ〜、、、バカか、、、バカかあいつ、、、」
佐久間は、俺の2人しか居ない親友の1人だった。
「あいつ、この前電話があってさぁ」
俺が、夏樹君にゆっくり話し始めた。
「久しぶりで何の用かな、って思ったらさぁ、“別に用は無いんだけどさぁ”って言ってた。」
虫の知らせ、ってやつだったのか?
さだまさしの、償いって曲は驚きの内容で、この事を思い出したのだった、、、。
佐久間は、中学生ですでに暴走族で、中学は違うけどすぐに仲良くなって話もフィーリングも合った。
何でも言えて、何でも言ってくれた。
俺は中三で中学を退学したけど、あいつは中三の時、鑑別所に入った。
何をやったかは、あえて書かないがあいつもかなりの悪だった。
だけど、心が温かい奴だった。
俺と同じで、人よりも早く社会に出て働いていた。
その時貯めたお金で、オートバイのレースに出て鈴鹿サーキットの4時間耐久レースの決勝まで出たほど、オートバイが大好きな奴だった。
暴走族で鍛えた走りが通用したのだろう。
レースをやめて、一緒にバス釣りをした。
サーフィンも、スノーボードも一緒に行った。
スノーボードは俺が教えてやった。
俺の知る限り、誰よりも飲み込みのスピードが早く、スノーボードのセンスがあった。
カーヴィングターンを、しっかり理解してすぐ出来るようになった。
そんなすぐ出来た奴、今までに誰一人居なかった。
、、、あっという間だった。
俺は、その日数人とお通夜に行った。
懐かしい顔がたくさんあった。
見渡すと、名の知れた悪い奴らの顔ぶれが目立った。
でも、どの顔を見ても全員、本当に悲しそうで落ち込んでいた。
『あいつ、本当に愛されてたんだな、、、』
佐久間には奥さんと、まだ2歳の女の子が居た。
奥さんは、あまりのショックで寝込んで居たが、その横で何の事かさっぱり分からない様子の子供がはしゃいでいた。
それを見て、思わず涙が溢れた。
あいつのお姉さんは、気丈に振る舞っていたがもしかしたら本当に、素の状態だったかもしれない。
「あ、足立君ありがとうね。もうバカでしょう!?仕方ないわ。ハッハッハ〜!!」
と、いった具合で集まった人の暗さを一人で明るくしようとしていた。
佐久間の奥さんが寝込んで、佐久間との思いでの写真を見て泣き崩れていたので、お姉さんにお願いをした。
「ねぇ、、、俺、あいつに手紙を書いて来たんだけど、棺に入れていい?」
すると、お姉さんは
「絶対喜ぶよ〜!入れてやって。、、、ホントありがとね。」
俺は、棺の中の佐久間の顔を見にゆっくり歩いて奥に行った。
佐久間の顔は、まるで寝ているみたいだった。
単車で峠を攻めていた時に、センターラインをはみ出して単車同士の正面衝突だったと聞いた。
最初、頭が痛い痛いと言って意識があったと言う、、、
そして、昏睡状態に陥り返らぬ人になってしまった。
一緒に走りにいっていた友達も知っているが、その友達が憎かった。
「一緒に居て、何でだ!?お前気をつけれなかったのか!」
と責め立てたい衝動にかられた。俺の親友だぞ!、と。
棺に向かって、手を合わせて心の中で佐久間に言った、、、
『バ〜カ。手紙書いて来たから読めな。じゃーな。』
俺は、その場を後にした、、、
“佐久間へ。
バカだなお前。あの世って、どんなとこだ?この手紙、読めるのか?、、、笑
お前、早過ぎるわ!いっつも言っただろ!単車には気をつけて乗れよって!
バカだな、、、俺の店の家具の配達を将来やってやるって言ってたのに、それどーするんだよ?。
あの電話、お前こうなるって分かってたのか?、、、そんな訳ないよな。
でも、電話くれたから話せてよかった。
でなきゃ、もっと怒ってるぞ!、、、もう死んじゃったんだから仕方ないな。
ま、いーや。見守っててくれよ。いずれ行くからな。
それからお前、単車禁止な笑。あの世で、単車乗るとうるっせーからな、、、
最後までみんなに迷惑かけて、仕方ない奴だぞお前は。
それじゃーまたな。
あ、そうそう、、、忘れるとこだった、、、
今まで、ありがとな。”
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